優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
「ねえ、杏美ちゃん。私が壱哉さんのこと、好きでもいいのかな」

杏美ちゃんは驚いた顔をした。

「いいに決まってるでしょ?」

「よかった」

杏美ちゃんに言われてホッとした。

「私、壱哉さんに釣り合わないのに好きになるなんて、図々しいことだと思っていたから」

「バカね。好きになるくらい自由でしょ」

「ありがとう。杏美ちゃん」

私は壱哉さんが好きなんだ―――好きになってもよかったんだと思えた。

「想いを自覚するのはいいけど、これからが大変よ」

そう言った杏美ちゃんは浮かない顔をしていたけど、私を見て笑っていた。
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