彼は真面目な優等生
4.比較
よく考えてみたら…
私と蒼君は違う所が多すぎる。
蒼君はなんでも出来て、先生達からの信頼もある優等生。
私は―…入学受験だけ頑張った単なる馬鹿。
先生からもよく、髪型とか化粧とかで説教される問題児。
比較しはじめると尽きないくらい…違いが多い。
「蒼君には…三島さんみたいな人が合ってるのかも」
そうだよ。
私なんて似合わない…
「馬鹿っ!!なんてこと言ってんの!?亜華里らしくない!!!」
「だって…」
「自分と他人を比べたら、違う所ばっかりに決まってるでしょっ!!!」
麻美??怒ってるの??
「生きてる人がみんな同じだったらキモいじゃん!!
それにあたしと亜華里だって、違う所たくさんあるじゃん!!」
私と麻美も??
「化粧して、髪染めてる問題児同士だけど…中身は少しずつだけど違うし、見た目も全然亜華里の方が可愛いし、あたしは亜華里よりは勉強出来るだろうし、男の好みも違うし…」
……。
「自分と違う所があるから…
惹かれ合って…
求め合って…
愛し合って…
それが人なんだよ??」
自分と違う所…。
「亜華里は自分にはない木村君の良さに惹かれて、好きになったんでしょ??」
私にない蒼君の良さ…。