彼は真面目な優等生

「遊ばれてる気がする」

「今はね…でも好きだってことはホント」




――――…好き


最近…その言葉を聞いてなかったなぁ〜


「木村とは上手くいってねぇーだろ??」

「なんで…」

「雰囲気とか…ってかだいたい、木村となんで付き合ってんだよ」


なんでって…


「好きだから」

「お前はもうちょっとチャラい奴が好きかと思ってた」

「昔はそういう人が多かったかも」

「何??お前何人と付き合ってたわけ??」


興味津々なわけ??
めんどくさいなぁ…


「付き合った人は1人だけ」

「多かったって??」

「告白してきた男子が、そういう奴が多かったの…」

「ふぅ〜ん…そうなんかぁ〜やっぱモテるんだな？」


「モテないよ…」

「まぁ、暗くなるなって!!」


狩野の大きな手が私の頭を撫でてきた。



……この手が蒼君なら、もっと幸せな気持ちになれるのに―…



「これは俺の手だから…」

「えっ!?」

「お前が考えてる事バレバレだから」

「……だって」

「愛が足りないのか??」

「……うん」


狩野の言う通りだよ…愛が全然ない。



「じゃあさ―…」




―ギュッ



狩野は私を抱き締めてきた―…




「俺にしなよ…」



…………