The previous night of the world revolution~T.D.~
「あー、もう。はいはい分かった分かった」

ルレイア殿にこれ以上言っても無駄、とばかりに。

ルルシー殿はこちらに向き直り、こう言った。

「本当ごめんな。こいつ、見ての通りこういう奴だから、一緒にいたら、色々驚くことや非常識なことすると思うけど…」

大丈夫です。

既に驚くことも非常識なことも、経験しました。

この僅か一時間あまりで。

「もし耐えかねたら、ここに電話してくれ。すぐシバきに来るから」

ルルシー殿は、電話番号が書かれたメモ用紙を渡してくれた。

「あ、ありがとうございます」

死神に手がつけられなくなったら、これに電話すれば救世主が駆けつけてくれるシステム。

有り難い。

心の底から有り難い。

「迷惑かけると思うが、こういう奴なんだ。大目に見てやってくれ。お互い、因縁浅からぬ身であることは重々承知の上だが…」

「…大丈夫です」

これも仕事のうちだし…それに。

口には決して出せないが、ルレイア殿がこうなってしまったのは、間接的に俺達の責任。

一つ屋根の下同居する身なんだから、多少のことはお互い、大目に見て…、

「あ、それとインテリアは、ゴスロリ統一させてもらうんで。宜しく」

「え」

ちょっと、目を離した隙に。

ハーレム会員さん達の手によって、部屋には黒い薔薇を描いた、黒地のカーペットが敷かれ。

同じ模様のカーテンと、壁紙が貼られていた。

…。

…部屋が黒い。

早速ですが、救世主を呼んでも良いでしょうか。

< 12 / 820 >

この作品をシェア

pagetop