The previous night of the world revolution~T.D.~
「…ルーシッド・デルマ・スヴェトラーナ」

「は、はい?」

俺は、レポート作成の手を止めて言った。

「そんな下らないことしか言えないから、あなたはいつまでたっても童貞なんですよ」

「は…はいっ!?」

童貞という言葉で、こんな反応を示す辺り。

もう、典型的な、救い難く、どうしようもない、正真正銘の童貞。

「良いですか?女子が『あぁ課題面倒だなー』って言ってるとき、『それが大学なんだから仕方ないよ』と答えるなんて、あなた馬鹿ですか。そんなだから童貞なんですよ」

「じょ、女子…?」

「そこは、『そうだね、大変だよね一緒に頑張ろう』と励まし、慰めるのが、非童貞というものです。全く救い難い童貞ですよあなたは」

全く、こんな奴が俺の後釜で、帝国騎士団の隊長をやっているなんて。

世も末だな。

え?お前もルーシッドと同い年の頃、帝国騎士団で隊長やってただろって?

…は?

「という訳でやり直しです」

「…」

「はぁ、レポート書くの面倒臭いなぁ。何で俺がこんなことやらなきゃいけないんですかね」

「…えっと、そうだね、大変だよね一緒に頑張ろう?」

「は?何で俺が、あなたと一緒にレポートなんか書かないといけないんですか。きっしょ」

「…」

もうルルシー殿呼びたい…とか何とかぶつくさ言ってるルーシッドを無視して。

うだうだ言っててもレポートは完成しないので、さっさと済ませるとしよう。
< 124 / 820 >

この作品をシェア

pagetop