The previous night of the world revolution~T.D.~
断っておくが。
『帝国の光』に入党すること自体は、そんなに難しくなかった。
言ってることが違うじゃないか、と思われたかもしれないが。
まぁ、順を追って話すから聞いてくれ。
まず俺は、『帝国の光』本部がある貸しビルにやってきて。
「入党希望です」と告げた。
すると、受付にいた優しげなお姉さんは、「ようこそ、『帝国の光』へ」と言って、快く迎えてくれた。
その後、入党に当たって、と履歴書に似た、個人のプロフィールを書かされた。
大したことは書いてない。
名前と生年月日と年齢と学歴職歴、入党動機…等。
本当に履歴書みたいだな。
俺は、指示された通り、素直に履歴書に記入した。
勿論、本当のことを書いた訳ではない。
名前は偽名だし、生年月日も適当なもの、学歴と職歴と入党動機については、あらかじめ用意しておいたものを記入した。
学歴と職歴については、本物かどうか調べられてもバレないよう、『青薔薇連合会』の息がかかった学校と企業を書いておいた。
これなら、いくら調べられても、完璧に偽造出来るからな。
そこは、アイズ先輩に頼んだ。
彼に頼めば、そういう偽装工作は完璧だ。
で、無事入党を果たし、ホッとしたその週の日曜日。
俺は、早速『帝国の光』に呼び出された。
何をさせられるのかと思いながら、本部に向かうと。
そこには、俺と同じく、『帝国の光』に入党したばかりの新人達が集められていた。
何だ、新入社員研修かと思ったら。
そこで、「これから適性試験と面接を行う」と言われた。
聞いてないぞ、そんなこと。
そういうことをするなら、入党前に言ってくれ。
俺と同じことを思ったらしい、別の新人の一人が、顔を青ざめさせながら、
「もしその試験に落ちたら、入党取り消しになるんですか?」と尋ねた。
しかし。
受付のお姉さんは、優しい笑顔で答えた。
「そんなことはありませんよ。ただ、試験と面接を通して、皆さんの得意なこと、不得意なことを把握し、党をより良い方へ貢献してもらえるよう役割決めをするだけです」とのこと。
要するに、党内での配置部署を決定する為の試験であって。
この試験の成績が悪かったからと言って、組織から追放される訳ではないらしい。
そして、小さな教室みたいなところに連れて行かれ。
そこで、ペーパーテストを受けさせられた。
一般常識を問われる試験から始まり、政治思想に関する短い小論文、心理試験も混じっていた。
成程、これでは試験結果を「加減」するのは難しい。
俺は迷った。
一般常識試験は勿論、小論文も、彼らが感嘆するほどの素晴らしい出来にすることは可能だ。
心理試験の結果を「加減」するのは難しいが、それだって、試験の内容を知っていれば、ある程度の操作は可能だ。
つまり、彼らにとって「貴重な人材」を演じることは出来る。
が、俺は今、それをするべきか?
正直、これには少し迷った。
『帝国の光』に入党すること自体は、そんなに難しくなかった。
言ってることが違うじゃないか、と思われたかもしれないが。
まぁ、順を追って話すから聞いてくれ。
まず俺は、『帝国の光』本部がある貸しビルにやってきて。
「入党希望です」と告げた。
すると、受付にいた優しげなお姉さんは、「ようこそ、『帝国の光』へ」と言って、快く迎えてくれた。
その後、入党に当たって、と履歴書に似た、個人のプロフィールを書かされた。
大したことは書いてない。
名前と生年月日と年齢と学歴職歴、入党動機…等。
本当に履歴書みたいだな。
俺は、指示された通り、素直に履歴書に記入した。
勿論、本当のことを書いた訳ではない。
名前は偽名だし、生年月日も適当なもの、学歴と職歴と入党動機については、あらかじめ用意しておいたものを記入した。
学歴と職歴については、本物かどうか調べられてもバレないよう、『青薔薇連合会』の息がかかった学校と企業を書いておいた。
これなら、いくら調べられても、完璧に偽造出来るからな。
そこは、アイズ先輩に頼んだ。
彼に頼めば、そういう偽装工作は完璧だ。
で、無事入党を果たし、ホッとしたその週の日曜日。
俺は、早速『帝国の光』に呼び出された。
何をさせられるのかと思いながら、本部に向かうと。
そこには、俺と同じく、『帝国の光』に入党したばかりの新人達が集められていた。
何だ、新入社員研修かと思ったら。
そこで、「これから適性試験と面接を行う」と言われた。
聞いてないぞ、そんなこと。
そういうことをするなら、入党前に言ってくれ。
俺と同じことを思ったらしい、別の新人の一人が、顔を青ざめさせながら、
「もしその試験に落ちたら、入党取り消しになるんですか?」と尋ねた。
しかし。
受付のお姉さんは、優しい笑顔で答えた。
「そんなことはありませんよ。ただ、試験と面接を通して、皆さんの得意なこと、不得意なことを把握し、党をより良い方へ貢献してもらえるよう役割決めをするだけです」とのこと。
要するに、党内での配置部署を決定する為の試験であって。
この試験の成績が悪かったからと言って、組織から追放される訳ではないらしい。
そして、小さな教室みたいなところに連れて行かれ。
そこで、ペーパーテストを受けさせられた。
一般常識を問われる試験から始まり、政治思想に関する短い小論文、心理試験も混じっていた。
成程、これでは試験結果を「加減」するのは難しい。
俺は迷った。
一般常識試験は勿論、小論文も、彼らが感嘆するほどの素晴らしい出来にすることは可能だ。
心理試験の結果を「加減」するのは難しいが、それだって、試験の内容を知っていれば、ある程度の操作は可能だ。
つまり、彼らにとって「貴重な人材」を演じることは出来る。
が、俺は今、それをするべきか?
正直、これには少し迷った。