The previous night of the world revolution~T.D.~
言葉を発した訳ではない。

ただ彼は、口パクで俺に伝えただけだ。

俺は呆然としながら、彼の口がゆっくりと動くのを見つめていた。

ただの口パクなのに、何故か、彼が何を言っているのかすぐに分かった。

さ、

わ、

い、

だ、

ら、

こ、

ろ、

す。

さわいだらころす。

騒いだら殺す。

はい、分かりました。

俺は全力で平静を保ち、ルレイア殿から視線を逸らし。

全てを見なかったことにした。

「?どうかされました、ルアリス様?」

何も知らない案内人の女性が、くるりと振り返る。

どうもこうも、俺は今、突如訪れた命の危機を脱したところですよ。

「な、な、何でもありません。す、凄いですね。こ、こんなリアルなじっ、実習授業をお、行ってるなんて」

噛み倒していた。

しかし、無事に案内人の女性には気づかれずに済んだようで。

「はい。他にも子ども教育学部では、小学校や中学校の教員を育成する為に、様々な講義を…」

有り難いことに、色々説明してくれていたが。

正直、全然頭に入っていなかった。

後ろから、「余計なこと言うなよオーラ」が、ルレイア殿から放たれていたからだ。

分かった、分かりました。分かりましたから、殺気を飛ばすのをやめてください。

生きた心地がしない。

その直後だった。

俺の携帯電話に、一通のメールが届いた。

それは、正しく死神からの招待状だった。
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