The previous night of the world revolution~T.D.~
…とりあえず。

「…ルレイア殿。俺、ルアリスです」

誰ですか、そのルシードというのは。

「あぁ、そうでした。そんな名前の童貞がいましたね。思い出しました」

「…」

俺の名前を故意に間違える辺りも、正しくルレイア殿。

最早、実家のような安心感さえ感じる。

「まぁ座ってくださいよ。そんな立ってないで」

「はい…。失礼します」

真っ黒なゴシックソファに、腰を下ろす。

何処に売ってるんだろうなぁ、こんなソファ。

「ユーレイリーさんも来たんですね」

ユーレイリーの名前は、しっかり覚えてるんですね

「あ、はい…。あの、口は堅いので、安心してください」

「えぇ、心配はしてません。他言すれば主の首が危ないことくらい、ユーレイリーさんも分かってるでしょう」

単なる脅しではないから、この人の言葉は相変わらず恐ろしい。

「じゃ、人数分紅茶」

「畏まりました」

ルレイア殿の足元に侍っていた女性が、メイドのように動いた。

あぁ…あの人見たことがある。

未だに、ルレイア殿の従僕をしているのか。

気の毒と言うべきなのか、本人も望んでのことなのか…。

いずれにしても、やっぱり、ルレイア殿の恐ろしさを痛感せずにはいられない。
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