The previous night of the world revolution～T.D.～

この2ヶ月で変わったことは、大きく分けて二つ。

一つ目は、サークルのメンバーが、4月の時点より増えている。

それも、かなりのペースで。

BもCも、増えたメンバーの一人だ。

Bよ、お前サッカー同好会はどうした。

彼も最初こそ、サッカー同好会と交互に、『考える会』に参加していたが。

今では、ほとんどサッカー同好会には顔を出していないようだ。

聞くところによると、サッカー同好会は上下関係が厳しくて、『考える会』の方が居心地が良いんだと。

それもそうだろう。

大抵のスポーツクラブは、上下関係を大切にするものだが。

この『ルティス帝国を考える会』では、学年や学部の違いは、全く関係ない。

学年を問わず発言を許され、しかもその発言を尊重してもらえる。

だったら、先輩のご機嫌を伺いながら、汗水垂らしてサッカーボールを追い掛けるより。

涼しい講義室でゆったりと座り、お茶を飲みながら、政治討論でもしていた方が、楽と言えば楽だ。

Cは元々、部活動に関しては保留にするという意見だったが。

俺とエリアス…主にエリアスだが、『ルティス帝国を考える会』の活動について、布教した結果。

「そんなに良いサークルなら、じゃあ俺も入るよ」と、あっさり加入。

元々Cの奴は、『ルティス帝国を考える会』に、興味がある素振りを見せていたしな。
　
そこにエリアスからの後押しもあり、迷うことなく加入したって訳だ。

ちなみに、Bより早かった。

俺達がサークル活動初日に、『ルティス帝国を考える会』に加入し。

Cは、その二週間後にはメンバーに加わった。

Bか入ってきたのは、更にその二週間後。

つまり、一ヶ月前だな。

で、最近は残るAを説得中だ。

Aはと言うと、『ルティス帝国を考える会』に興味はあるようなのだが。

水泳部の方も、ずっと続けてきたことだけに、練習を疎かにするのは気が咎めるようだ。

しかし、エリアスとB、Cの三人に、毎日のように「顔出すのは週イチでも良いから」などと言われ。

最近では、「そうだな、俺も入ろうかな」と、加入に前向きである。

恐らく、遠からずAも、『ルティス帝国を考える会』に加入するだろう。

ABCの三兄弟が、とうとう勢揃いするのも夢じゃないって訳だ。

そして、増えているのはABC集団だけではない。

さっき上級生が、経済学部の学生が三人増えるって言ったな。

他の学部からも、続々とメンバーが増えているのだ。