The previous night of the world revolution～T.D.～

この2ヶ月で変わったことは、二つあると言ったな。

一つは、入会希望者が殺到していること。

そしてもう一つは、ルーシッドの存在だ。

俺達が4月に入会したとき、彼は一人だけ、『ルティス帝国を考える会』の思想に染まらない人間だった。

敢えてそう見せる為のパフォーマンスであるとはいえ、ルーシッドはいつでも、『考える会』の思想には批判的に振る舞ってきた。

最初こそ、ルーシッドは「変なことを言う新入生だ」くらいの認識だったものの。

この2ヶ月で、ルーシッドは更に『考える会』に、敢えて批判的な意見を述べ続け。

今となっては、彼は完全に、『ルティス帝国を考える会』の異端者とみなされていた。

つまり、この大きなグループの中で、ルアリスだけ孤立無援のボッチってこと。

そういう演技をしているのだから、予定通りなのだが。

毎回毎回、誰かが意見を述べ、ルーシッドがそれに反対意見を述べ、他のメンバーからその反対意見に、更に反対され、袋叩きに遭っているのを見ると。

俺としては、笑いが止まらない事態である。