The previous night of the world revolution～T.D.～
…かくなる上は。
「…おい、オルタンス」
『帝国の光』とやらの対応について、どうするか。
帝国騎士団隊長連として、話し合わなければなるまい。
そして重要になるのは、帝国騎士団長である、この男の意見だ。
「どうした？」
どうしたじゃねぇ。
「お前の意見は？」
「そうだな…。やっぱり、なかなかルレイアみたいに綺麗には塗れないものだな。最近はジェル…？とかいうのが流行っているらし、」
「あぁ。そんなことだろうと思ってたが、敢えて言ってやるよ。爪の話じゃねぇ」
爪ばっか見てるから、爪のこと考えてるんだろうなとは思ってたけど。
案の定、爪に対する意見を言いやがった。
今この場所で、一番どうでも良い意見をどうも。
「お前、ルーシッドの話、ちゃんと聞いてたか？」
「『帝国の光』とかいう組織の話だろう？」
一応、話だけは聞いていたらしい。
良かったな、ルーシッド。
お前の報告は、無駄にはならなかったぞ。
「どうする？まだ大きな動きもないし、静観するか、それとも…」
「…よし、決めた」
早いな。
本当に考えたか？
すると、オルタンスの口から出てきた言葉は、
「ルレイアを呼ぼう」
だった。
…お前、本当に考えたか？
「…真面目に言ってるんだよな？」
「俺はいつだって真面目だ」
どの辺が？
「こういう面倒なことは、ルレイアに相談するのが一番だ。いや、決して俺がルレイアに会いたいからじゃなくて。『天の光教』の件では、『青薔薇連合会』とも共闘したし。決してルレイアに会いたいからじゃなくてな」
ルレイアに会いたいんだな。
その口実になるなら、この際何でも良いと。
お前はそういう奴だったな。
「…馬鹿らしい」
ユリギウスが、オルタンスの意見をバッサリ切り捨てた。
偉い。
「何が？」
「『青薔薇連合会』に協力を要請したところで、奴らが応じるはずがない」
あぁ…。
まぁ…そうなるだろうな。
俺達帝国騎士団と『青薔薇連合会』は、元々敵対する関係。
先日『天の光教』の件で共闘したのは、あくまで互いの利害が一致していたから。
そして、個人的にも『青薔薇連合会』は、『天の光教』に敵対していたんだったか。
その関係で、一時手を組んだというだけで。
なんか残党っぽいのが出てきたから、また一緒に何とかしよう、と誘ったところで。
鼻で笑われるのが関の山だ。
そりゃ確かに、彼らが協力してくれたら心強いのは心強いが…。
すると。
「これ以上、『青薔薇連合会』と手を組む訳にはいかん」
アストラエアが、断固としてそう言った。
「…どういう意味だよ？」
「我々はルティス帝国を守る、誇り高き帝国騎士団だ。そんな我々が、何度も非合法組織の手を借りるなど、帝国騎士団の尊厳に関わる」
…。
言ってることは、間違いなく正論だが。
ルレイアが聞いたら、抱腹絶倒していただろうな。
だが、アストラエアの言うことも分かる。
何かと言えば俺達は、『青薔薇連合会』と手を組む形で、彼らの力を借りている。
味方にすれば心強い連中だが、しかしあくまで彼らは、非合法組織。
俺達が幾度となく『青薔薇連合会』と協力しているなどと、国民達に知られたら。
もう、帝国騎士団総辞職並みに叩かれまくるだろうな。
無論こちらとて、やむにやまれぬ事情があったという点は、考慮してもらいたいところだが。
俺達だけで解決出来る問題なら、そうしてるよ。
でもそれが出来ないから、仕方なく毒を飲む覚悟で、彼らの手を借りているのだ。
帝国騎士団と言えど、『青薔薇連合会』という、ルティス帝国最大のマフィアの手を借りることの危険性は、重々承知の上だ。
「そうだな…。『青薔薇連合会』としては、我々に手を貸す理由もないだろう。ならば今回は、我々だけで…」
珍しく、リーヴァもアストラエアと同意見。
俺も今回は、アストラエアの意見に賛成だ。
しかし。
「嫌だ」
…。
帝国騎士団長の言うことか？それが。
「…おい、オルタンス」
『帝国の光』とやらの対応について、どうするか。
帝国騎士団隊長連として、話し合わなければなるまい。
そして重要になるのは、帝国騎士団長である、この男の意見だ。
「どうした？」
どうしたじゃねぇ。
「お前の意見は？」
「そうだな…。やっぱり、なかなかルレイアみたいに綺麗には塗れないものだな。最近はジェル…？とかいうのが流行っているらし、」
「あぁ。そんなことだろうと思ってたが、敢えて言ってやるよ。爪の話じゃねぇ」
爪ばっか見てるから、爪のこと考えてるんだろうなとは思ってたけど。
案の定、爪に対する意見を言いやがった。
今この場所で、一番どうでも良い意見をどうも。
「お前、ルーシッドの話、ちゃんと聞いてたか？」
「『帝国の光』とかいう組織の話だろう？」
一応、話だけは聞いていたらしい。
良かったな、ルーシッド。
お前の報告は、無駄にはならなかったぞ。
「どうする？まだ大きな動きもないし、静観するか、それとも…」
「…よし、決めた」
早いな。
本当に考えたか？
すると、オルタンスの口から出てきた言葉は、
「ルレイアを呼ぼう」
だった。
…お前、本当に考えたか？
「…真面目に言ってるんだよな？」
「俺はいつだって真面目だ」
どの辺が？
「こういう面倒なことは、ルレイアに相談するのが一番だ。いや、決して俺がルレイアに会いたいからじゃなくて。『天の光教』の件では、『青薔薇連合会』とも共闘したし。決してルレイアに会いたいからじゃなくてな」
ルレイアに会いたいんだな。
その口実になるなら、この際何でも良いと。
お前はそういう奴だったな。
「…馬鹿らしい」
ユリギウスが、オルタンスの意見をバッサリ切り捨てた。
偉い。
「何が？」
「『青薔薇連合会』に協力を要請したところで、奴らが応じるはずがない」
あぁ…。
まぁ…そうなるだろうな。
俺達帝国騎士団と『青薔薇連合会』は、元々敵対する関係。
先日『天の光教』の件で共闘したのは、あくまで互いの利害が一致していたから。
そして、個人的にも『青薔薇連合会』は、『天の光教』に敵対していたんだったか。
その関係で、一時手を組んだというだけで。
なんか残党っぽいのが出てきたから、また一緒に何とかしよう、と誘ったところで。
鼻で笑われるのが関の山だ。
そりゃ確かに、彼らが協力してくれたら心強いのは心強いが…。
すると。
「これ以上、『青薔薇連合会』と手を組む訳にはいかん」
アストラエアが、断固としてそう言った。
「…どういう意味だよ？」
「我々はルティス帝国を守る、誇り高き帝国騎士団だ。そんな我々が、何度も非合法組織の手を借りるなど、帝国騎士団の尊厳に関わる」
…。
言ってることは、間違いなく正論だが。
ルレイアが聞いたら、抱腹絶倒していただろうな。
だが、アストラエアの言うことも分かる。
何かと言えば俺達は、『青薔薇連合会』と手を組む形で、彼らの力を借りている。
味方にすれば心強い連中だが、しかしあくまで彼らは、非合法組織。
俺達が幾度となく『青薔薇連合会』と協力しているなどと、国民達に知られたら。
もう、帝国騎士団総辞職並みに叩かれまくるだろうな。
無論こちらとて、やむにやまれぬ事情があったという点は、考慮してもらいたいところだが。
俺達だけで解決出来る問題なら、そうしてるよ。
でもそれが出来ないから、仕方なく毒を飲む覚悟で、彼らの手を借りているのだ。
帝国騎士団と言えど、『青薔薇連合会』という、ルティス帝国最大のマフィアの手を借りることの危険性は、重々承知の上だ。
「そうだな…。『青薔薇連合会』としては、我々に手を貸す理由もないだろう。ならば今回は、我々だけで…」
珍しく、リーヴァもアストラエアと同意見。
俺も今回は、アストラエアの意見に賛成だ。
しかし。
「嫌だ」
…。
帝国騎士団長の言うことか？それが。
