The previous night of the world revolution~T.D.~
私立ローゼリア学園大学。

言わずと知れた、僕が潜入している大学である。

ちなみに、美術学部である。

入学試験が楽だったから、何となくで入ったけど。

後になって、ちょっと失敗だったかなと思った。

というのも、科目ごとに、彫刻だの油絵だの水彩画だの、提出しなければならない課題が結構ある。

おまけに、幼い頃から、もう美術館の学芸員に死ぬほど聞かされてきて。

本なんかで調べなくても、すらすら引用出来る内容の美術史について、今更長々レポートを書かされたり。

ルティス帝国含め、世界の有名な美術家について調べて、これまたレポートを書かされ。

更には、その美術家の作品について、批評する感想文みたいなものも書かされたり。

結構やること多くて、面倒臭い。

しかも僕、これらについては、幼い頃から散々、王族の嗜みとして叩き込まれてきた。

今更、学ぶ必要はないくらい。

だから、日中の講義は暇で仕方ない。

で、山のような作品の課題や、レポート課題を課せられる訳だろう?

大学生も大変だよ。

わざわざ、潜入任務の彫刻に、本気を出しても仕方ないので。

僕は、わざと適度に手を抜いているが。

これら、全部真面目にやっていたら、時間がいくらあっても足りないよ。

更に。

僕には、もう一つ…学業とは別に、やらなければならないことがあるのだから。

そしてそれこそが、僕の悩みの種…元凶なのである。
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