The previous night of the world revolution~T.D.~
「今更『青薔薇連合会』と対立姿勢を見せても、無駄なことだ。俺達は一度、彼らに弱みを見せ、彼らの協力を得ている。マフィアに借りを作ってしまった。その時点で、我々が『青薔薇連合会』の敵になることは許されない」

…相手はマフィアだ。

例え、相手が俺達帝国騎士団だとしても。

一度でも弱みを握った相手は、深々と噛み付いて離れない。

そういう本質を持った連中なのだ。

「切ろうと思っても切れないなら、ならばせめて、『青薔薇連合会』の機嫌を損ねないことだ。俺達に出来るせめてもの抵抗は、徹底的に癒着して、お互い監視し合うことだけ。違うか?」

「…それは…。それでは、帝国騎士団の威厳が…」

「そんなものは忘れろ」

忘れろ、と来たか。

「全ては国を、ルティス帝国を守る為だ。その為なら、尊厳も誇りもゴミ箱に捨ててしまえ。それでルティス帝国を守れるのなら、毒でも薬でも飲むべきだ」

…さっきも言ったが。

ルレイアを…ルシファーを捨てたお前が言うと、説得力が段違いだ。

「…とは言うが、事情を説明したところで、『青薔薇連合会』が協力するとは限らないぞ」

七番隊隊長の、フレイソナが言った。

まぁ、確かにな。

こちらが事情を説明しても、「だから何?」と言われる可能性はある。

むしろ、そちらの方が可能性としては高いのでは?

『青薔薇連合会』には、もう関係のない話なのだから。

しかし。

「だから、彼らが食いつくであろう見返りを用意する。彼らはマフィアだ。リターンがリスクを上回るなら、手を組むはずだ」

「…何だよ?そのリターンって…」

まさか、何かとんでもないもの支払わされるんじゃないだろうな?

すると。

オルタンスは、俺達が思いもよらない、『青薔薇連合会』への「見返り」を口にした。

この「見返り」に、奴らが乗ってくるか否か。

それは、話してみないことには分からない。
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