The previous night of the world revolution~T.D.~
そして。

今日というこの日、『青薔薇連合会』は、俺達の要請に応じ、話し合いの場所を提供してきた。

あくまで、向こうの条件を呑むことが前提だったが。

まずメンバーは、オルタンス、俺、ルーシッド、リーヴァの四人のみ。

ルシェとアストラエアを外したのは…恐らく。

ルレイアにとって、ルシェとの関係が煩わしかったのだろう。

アストラエアを呼ばなかったのは…間違いなく、あいつが反対意見を口にするから、だろうな。

あくまで『青薔薇連合会』が話を持っていきやすい人間を、指定してきた。

しかし俺達は今日、『青薔薇連合会』の誰が話し合いに来るのかを、知らされていなかった。

会合の場所の指定も。

ここは『青薔薇連合会』の息がかかったホテルの一室だ。

それに。

オルタンスもルーシッド達も、気づいていると思うが。

私服を着た一般人…に似せた、『青薔薇連合会』の構成員が。

ホテルの周りを、さりげなく取り囲んでいる。

全く、なんとも「熱烈」な歓迎だ。

この会合の結果次第では、最悪、俺達はこの建物を出ることが出来ないかもしれないな。

恐ろしいので、考えないでおくとしよう。

そして、オルタンスが用意した「見返り」についても…。

…すると。

遠くから、オリエンタルな香水の香りと共に。

地獄の底から死神が這い上がってくる、その黒いオーラが近寄ってくるのを感じた。

…来たか。



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