The previous night of the world revolution~T.D.~
「?どうしたんですか、そんな素っ頓狂な声を出して…」

「い、いや、ふ、フューニャの方がどうしたんだ!?」

「?」

そんな可愛く首を傾げられても。

これは一体…何なんだ?

リビングのテーブルいっぱいに、御札や数珠、謎のお守り、そして例の骨等、グロテスクなものが、ペタペタと貼り付けられた何かが置いてある。

そ、その骨は、これの為に用意したのか?

「な…何なんだ?これ…」

「これですか?お面です」

「お面!?」

成程、言われて理解した。

確かに、顔につけられるよう、縦長の楕円形で、目の部分はかろうじて穴が空いている。

そうか、成程お面…。

いや、理解はしたけど納得はしてないぞ。

何だって、こんなお面を作ったのだ。

例えるなら、いかめしいカラフルなインディアンのお面を、更にグロテスクな装飾を施したみたいになってる。

夜中にこれ出てきたら、間違いなく俺は失神する。

って言うか、昼間でも、これをつけて表に出たら、多分警察呼ばれる。

それくらい、恐ろしい形相をしたお面だった。

「だ…」

「…だ?」

「誰か…呪うのか…?」

誰かを呪い殺す以外、用途が思いつかない。

しかし。

「呪うだなんて…。物騒なことを言いますね、ルヴィアさんたら」

呪わないんですか?不思議なことを言いますね、フューニャさんたら。

呪う以外に、これを何に使うんだ?

「むしろ逆です。これは、私の故郷に伝わる、健康祈願のお面です」

えへん、と胸を張ったように言うフューニャ。

…健康、祈願?

…むしろこれを見たら、寿命が縮むような気がするのだが、俺の気のせいか?
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