The previous night of the world revolution~T.D.~
「何なんだお前?人に向かっていきなりクラッカー発砲する趣味でもあるのか?」

「そ、そそそそんな怒るなよルル公…」 

苛立ちながら、アリューシャに詰め寄るルルシー。

あ、いや、そうじゃなくて。

アリューシャは、単に私の合格を喜んでくれているだけで。

すると。

「まぁまぁ、落ち着いてルルシー」

仲間達を宥めるのは慣れたもの、アイズが、二人の間に割って入った。

「ルリシヤと連絡交換してきたんでしょう?どうだった?」

「ルリシヤ本人じゃなくて、ルレイアんとこの準幹部…華弦からの又聞きだけどな。相変わらず、身動きは取りづらいみたいだ」

「そう」

「『赤き星』も、行方を眩ませたルーチェスを探し回ってるらしい。箱庭帝国にいるとはいえ、完全に安全とは言い切れないし…」

と、顔を曇らせるルルシーに。

アイズは、

「あぁ、『赤き星』と言えば、ルルシー」

「何だよ?」

「シュノが、私立ローゼリア女子学園大学に合格したよ。二週間後から、彼女も花の大学生だ」

「!」

突然の合格発表に、ルルシーもびっくり。

そして、脱力している私の方を向いた。

「そうか…!合格したのか、シュノ…!おめでとう」

「…ありがとう…」

ようやく、「本当に合格したんだ」という実感が込み上げてきた。

喜びを噛み締めていると、アイズがルルシーに、私に聞こえないようこっそりと言った。

「ルルシー。ほら、ルレイアに連絡してあげて」

「え?」

「シュノは、誰に一番褒めてもらいたいと思う?」

「あ…!…そうか、分かった」

ルルシーは、微笑みながらスマートフォンを取り出し、誰かに連絡した。

「…あぁ、悪いないきなり。ちょっと、シュノが言いたいことがあるらしいから、聞いてやってくれるか?…あぁ、そうだよ」

…?一体誰に連絡してるんだろう?

すると。

「ほら、これは盗聴はされてないから、存分に話して良いぞ」

ルルシーはそう言って、私に自分のスマートフォンを渡してきた。

「えっ…え、だ、誰…?」

恐る恐る、声を絞り出すと。

『さぁて。誰でしょうね?当ててみてください』

私の、一番大好きな人の声が聞こえてきた。
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