The previous night of the world revolution~T.D.~
一気に、心が浮き足立つのを感じた。

「ルレイア…!」

『ご明察』

ルレイアだ。ルレイアとの電話だ。

一体いつぶりだろう。彼の声を聞いたのは。

直接会えた訳じゃないけど、電話越しに声を聞けるだけで、充分嬉しい。

「ルレイア、ルレイア。あのね、私合格したの。大学…!これで、ルーチェスの代わりに潜入出来るわ」

一番に伝えたかったことを、最初に伝える。

『ふふ、聞きましたよ。おめでとうございます。さすがシュノさんですね』

「…!」

パソコンで合格発表の結果を見たときより、今が一番嬉しかった。

『とはいえ、俺は全然心配してなかったんですけどね』

「え?」

『シュノさんなら大丈夫だって、信じてましたから。シュノさんがどれだけ頑張って努力してきたか、ルルシーに聞きましたよ』

「…ルレイア…」

その通り。

今は合格して、喜びを噛み締めているけれど。

ここに至るまでには、長い道のりがあったのだ。

長いとは言っても、普通の受験生よりかは短いのかもしれないけど。

ほとんど学校に行ったことのない私にとっては、茨の道だった。

様々な参考書と問題集を買い漁り、一日中でも机に貼り付いて勉強した。

分からないところは、私の派閥にいる大卒の部下に聞いたり、事情を知った後は、アイズにもいっぱい教えてもらった。

更にアイズは、何処からか私立ローゼリア女子学園大学入試の、過去問をもらってきてくれて。

実際の受験さながらにそれをやって、採点してみたりもして。

それから、箱庭帝国にいる博識なルーチェスが、私立ローゼリア学園大学の受験問題の出題傾向を、何年か分の過去問から分析し。

「多分こんな感じの問題が出ると思いますよ」って、いくつか練習問題を送ってくれた。

そのうちの何問かは、本当に実際の試験問題に使われていて、ルーチェスの分析力に脱帽させられた。

本当に、皆の支えには頭が上がらない。
< 365 / 820 >

この作品をシェア

pagetop