The previous night of the world revolution~T.D.~
…およそ、小一時間後。

驚くほどあっさり、私は学生会のメンバーになっていた。

入学してきてすぐの学生はちょっと…とか、

もう定員オーバーだから…とか、難色を示される覚悟はしていたし。

そのときの為に、食い下がる台詞をいくつも用意していたのだが。

むしろ、学生会は万年人手不足状態だったそうで。

入会希望ですと言ったら、サイン一つで、すんなりと入れてくれた。

本当にあっさりで、拍子抜けしてしまった気分。

しかも。

「ルナちゃん、何の係やりたい?」

「えっ」

私を学生会に紹介してくれた、例の栄養学部の幼馴染みさん。

名前、ユミノちゃんと言うらしいのだが。

そのユミノちゃんが、私にそう尋ねてきた。

「係って?」

「色々あるよ。広報委員とか、経理委員とか…」

あー…。そういうの、私苦手そう…。

でも、そんなことは言ってられない。

「自分で選べるの?」

「基本的にはね。如何せん、何処も人手不足なものだから」

苦笑いで言うユミノちゃん。

「ほ、他には何があるの?」

「そうだなー…。図書委員とか美化委員みたいな、中高でもあるような係は、比較的人気で、人手も足りてるんだけど…」

「ひ、人手が足りてないのは、何処?」

「そうだな…。あ、そうだ。同好会委員とかは、慢性的な人手不足だな」

「!」

思わず、声が出てしまいそうになった。

「ど、同好会委員なんてあるのね」

私は、白々しくもそう言ってみせた。

「あるよー。私もちょっとやってた時期があるんだけど…」

と、言葉が濁るユミノちゃん。

…?何故?

「この委員って、結構キツくてねー。やりたがる人いないの。私も一ヶ月もせずにやめちゃった」

「な、何で…?」

そ、そんなに悪いことがあるの?

物凄く忙しい、とか?

「この委員ってね、女子大だけじゃなくて、向こうの大学も、つまりローゼリア学園大学全体の同好会やサークルをまとめる係なんだけど」

「う、うん」

「まず、向こうの大学のサークル棟まで行くのも大変だし。それにやっぱり…お金が絡む話になってくるから、揉め事も多いんだよねぇ」

…お金…。

…学生会も、結構、世知辛いんだね。
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