The previous night of the world revolution~T.D.~
「成程ねぇ…。それはまた、大胆な…」

「そんな条件で、危険なスパイ役をやらせるなんて…」

「楽しそうな話ししてたんですね。僕も参加したかったです」

「…?」

上から、アシュトーリアさん、シュノさん、ルーチェス、アリューシャである。

相変わらずアリューシャは、後でアイズに絵本を描いてもらうことになりそうだが。

「さて…どうします?」

「どうしましょうか。皆はどうしたい?」

アイズの問いに、アシュトーリアさんは俺達への問いで返した。

うーん…。

「俺はアリだと思いますよ?大学生とか、一度やってみたかったし」

「ルレイア!お前はまた…。…俺は反対だ。断固反対だ」

「ルルシー先輩は心配性だな。俺は賛成しても良いと思うが」

「僕も同感ですね。放っておいても、いずれ後で俺達の敵に回るなら、火種は早いうちに消しておく方が良い」

「私は…反対だわ。あの『天の光教』の教義を継ぐ組織に潜入するなんて…。あまりに危険だもの」

「アリューシャは…うーん…。アリよりのナシ!ナシよりのアリ!」

俺とルリシヤとルーチェスの三人は、賛成派。

ルルシーとシュノさんは、反対派。

アリューシャは、よく分からない派。

「アイズは、どう思うかしら?」 

「…今のところは、中立で」

アイズが賛成反対のどちらかについてしまったら、多数決で決まっちゃいそうだからな。

これは、多数決で決める問題ではないだろう。

「じゃ、もう少し話を詰めてみましょうか…。そうね、断るのは簡単だわね。だから…とりあえず、申し出を受ける前提で、誰がスパイ役をやるかについて、話し合いましょうか」

と、アシュトーリアさん。

それはもう…決まってるようなもんですよね。
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