The previous night of the world revolution～T.D.～

「…不平等？」

「私達は人数が少ないから、大人しく慎ましい活動だけしてろ、ってこと？もっと人数の多いサークルにだけ大金を与えて、私達には自由に活動する権利も与えられない訳ね？」

「そういう意味で言っているのではありません。私達はただ…」

「でも、そういう意味にしか聞こえないわ。私達だって、いくら規模が小さく立って、立派なサークルの一つなのに。そこに差をつけるのね」

「…」

…何を勘違いしているのか知らないが。

「あなた方の活動を、侮辱するつもりはありません」

好きな活動をすれば良い。

あなた達がルーチェスにしたことを考えたら、思わず手が出てしまいそうになるけれど。

それ以外は、勝手なことをしてれば良い。

でも。

「学生会では、サークルの規模によって、おおまかな活動費の分配を決定しています」

人数の多いサークルには、当然多めの活動資金を。

人数が少ないサークルは、それに比べれば、やはり少なくなってしまうのは当然だ。

「あなた方の他にも、小規模なサークルはあるんです。彼らは限られた資金の中で活動しています。それなのに、『赤き星』だけが、これだけ資金を使われては、それこそ不平等なんです」

「…」

「そもそも『赤き星』は、三年生以上の学生は、入会を拒否しているそうですね？」

「…それが何か？」

「ご存知ないならお教えします。『全ての学生は、年齢、性別、学年、学部を問わず、希望するサークルに自由に入会することが出来る。』同好会規則に、そう書いてあるんです。勝手に独自のルールを決められては困ります」

今まで、そこを突っ込む人がいなかったのが、不思議でならない。

彼女達のやっていることは、明らかな規則違反だ。

それなのに、サナミアは悪びれもしなかった。

「私達の活動方針に、口出しをされる謂れはないわ」

「活動方針は自由に決めて頂いて結構です。ですが、入会の是非を、あなた方が勝手に決めるのは規則違反です」

「…」

再び、ジロッと私を睨むサナミア。

そんな目がどうした。

本気モードになったルレイアに比べたら、可愛いウサギの目みたいなものだ。