The previous night of the world revolution~T.D.~
故に。

「…とにかく、今後は活動内容を改めてください。講演会に参加されるのは結構ですが、出来るだけ近場の、無料の講演会に参加してください」

そんなものが存在するのかは知らないし、どうでも良いけど。

「それから、同好会規則に反することもやめてください。…警告は、しましたからね」

「…えぇ」

余計なお世話だ、と言わんばかりの顔。

実際、そう思ってるんだろうね。

「それでは、失礼しました」

私が踵を返すのを、サナミアがじっと睨んでいた。

見た訳じゃない。視線を感じただけだ。

まるで、殺意のような視線だった。

ルーチェスも、同じものを感じたのだろうか?

毎日、ここに来る度に?

…だとしたら、彼の苦労に比べ、私の苦労など、ルーチェスの足元にも及ばないね。

『赤き星』の部室の扉を締めてから、ようやく私は、一息つけた。
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