The previous night of the world revolution~T.D.~
「まず、ルティス帝国の共産主義化は、帝国騎士団だけじゃなくて、『青薔薇連合会』にとっても有害なのは分かるよね」
「…?」
アリューシャは、首を傾げていたが。
ルルシーは、黙ったまま頷いた。
アリューシャには、後で絵本を描いて説明しよう。
『青薔薇連合会』が、現在ルティス帝国裏社会で、今の覇権を維持出来ているのは。
ルティス帝国が、今のルティス帝国であるからだ。
帝国騎士団にもコネがあり、非合法組織でありながら、実質政府公認の組織にまで成り上がっている。
『青薔薇連合会』としては、この現状を維持したい。
更に言えば、『青薔薇連合会』の構成員は、多くが貧民街や、貧しい家庭の生まれだったりする。
この場にいる三人共、そうだけど。
貧民街出身だ。
だから、ルティス帝国が本当に、全員平等の国になってしまったら。
『青薔薇連合会』に入ってくる人が、いなくなってしまう。
それだけではない。
『青薔薇連合会』は、国内のいくもの企業と契約を結び、裏から手を回している。
その見返りとして、所謂みかじめ料を集め、収入源の一つとしている。
つまり。
ルティス帝国には、このまま、今のままのルティス帝国でいてもらわなければ困るのだ。
例え貧富の差があろうと、貧しさのあまり死に至る者がいようと。
ここで大きく政変が起き、『帝国の光』が提唱する、かなり原理的な共産主義国家になってしまったら。
『青薔薇連合会』の息がかかった企業が、全部国有になってしまったら。
『青薔薇連合会』の屋台骨が崩れてしまう。
私達は、私達でいられなくなるのだ。
だから、ルティス帝国の共産主義化は、絶対に阻止しなければならない。
帝国騎士団も、なかなかに命運の懸かった戦いだろうが。
私達にとっても、負けず劣らず、存亡の危機だったりするのだ。
だからこそ帝国騎士団も、私達にスパイ潜入を持ちかけてきたのだろうし。
そして、『帝国の光』の武装化が発覚した今。
更にルリシヤによると、『帝国の光』は、『ルティス帝国を考える会』を始め、各地の共産主義思想の組織を、一堂に集めようとしている。
しかも、若者中心の組織を、である。
若者達の、若さ故の情熱と活動力を利用して、一気に革命を起こそうとしている。
ヒイラ・ディートハットが一言、若者達を煽動するような言葉をかけてみろ。
ヒイラの言葉に触発された若者達は、怒涛の勢いで政変を狙おうとするだろう。
そしてそれを見た、他の若者達も、一種の熱に侵され、彼らに賛同して共に戦うだろう。
そこに、最早重火器は必要ない。
大した武器などなくても、家庭にあるキッチンナイフで充分だ。
この騒動が起きれば、最早帝都だけの話では済まない。
帝都で起きた政治活動に触発され、地方でも燻っていたものが爆発する。
そうなれば、いかな帝国騎士団と言えど、手に負えない事態に発展しかねない。
熱に浮かされた国民は、何をしでかすか分からない。
後先を考えず、ただ指導者の言うままに動く。
そして、破壊の限りを尽くした後に気づくのだ。
自分達が、取り返しのつかないことをしてしまったと。
そうなったときには、最早手遅れなのだ。
だから、私達は。
その手遅れになる前に、何らかの策を講じ。
最悪の事態を、回避しなければならないのだ。
「…?」
アリューシャは、首を傾げていたが。
ルルシーは、黙ったまま頷いた。
アリューシャには、後で絵本を描いて説明しよう。
『青薔薇連合会』が、現在ルティス帝国裏社会で、今の覇権を維持出来ているのは。
ルティス帝国が、今のルティス帝国であるからだ。
帝国騎士団にもコネがあり、非合法組織でありながら、実質政府公認の組織にまで成り上がっている。
『青薔薇連合会』としては、この現状を維持したい。
更に言えば、『青薔薇連合会』の構成員は、多くが貧民街や、貧しい家庭の生まれだったりする。
この場にいる三人共、そうだけど。
貧民街出身だ。
だから、ルティス帝国が本当に、全員平等の国になってしまったら。
『青薔薇連合会』に入ってくる人が、いなくなってしまう。
それだけではない。
『青薔薇連合会』は、国内のいくもの企業と契約を結び、裏から手を回している。
その見返りとして、所謂みかじめ料を集め、収入源の一つとしている。
つまり。
ルティス帝国には、このまま、今のままのルティス帝国でいてもらわなければ困るのだ。
例え貧富の差があろうと、貧しさのあまり死に至る者がいようと。
ここで大きく政変が起き、『帝国の光』が提唱する、かなり原理的な共産主義国家になってしまったら。
『青薔薇連合会』の息がかかった企業が、全部国有になってしまったら。
『青薔薇連合会』の屋台骨が崩れてしまう。
私達は、私達でいられなくなるのだ。
だから、ルティス帝国の共産主義化は、絶対に阻止しなければならない。
帝国騎士団も、なかなかに命運の懸かった戦いだろうが。
私達にとっても、負けず劣らず、存亡の危機だったりするのだ。
だからこそ帝国騎士団も、私達にスパイ潜入を持ちかけてきたのだろうし。
そして、『帝国の光』の武装化が発覚した今。
更にルリシヤによると、『帝国の光』は、『ルティス帝国を考える会』を始め、各地の共産主義思想の組織を、一堂に集めようとしている。
しかも、若者中心の組織を、である。
若者達の、若さ故の情熱と活動力を利用して、一気に革命を起こそうとしている。
ヒイラ・ディートハットが一言、若者達を煽動するような言葉をかけてみろ。
ヒイラの言葉に触発された若者達は、怒涛の勢いで政変を狙おうとするだろう。
そしてそれを見た、他の若者達も、一種の熱に侵され、彼らに賛同して共に戦うだろう。
そこに、最早重火器は必要ない。
大した武器などなくても、家庭にあるキッチンナイフで充分だ。
この騒動が起きれば、最早帝都だけの話では済まない。
帝都で起きた政治活動に触発され、地方でも燻っていたものが爆発する。
そうなれば、いかな帝国騎士団と言えど、手に負えない事態に発展しかねない。
熱に浮かされた国民は、何をしでかすか分からない。
後先を考えず、ただ指導者の言うままに動く。
そして、破壊の限りを尽くした後に気づくのだ。
自分達が、取り返しのつかないことをしてしまったと。
そうなったときには、最早手遅れなのだ。
だから、私達は。
その手遅れになる前に、何らかの策を講じ。
最悪の事態を、回避しなければならないのだ。