The previous night of the world revolution~T.D.~
「た、退学…!?何で…」

「自分の胸にでも、聞いてみたらどうですか?」

私は、責めるような眼差しで彼女達を睨んだ。

「『帝国の光』とかいう組織に貢ぐ為に、同じ学部の後輩を恫喝して、お金を巻き上げていたそうじゃないですか。サナミアさん」

「な…!何ですって?」

サナミアは、驚愕に目を見開き。

他の党員達も、驚いてサナミアを見つめた。

そこまでしたのか、という顔だった。

「い、言いがかりだわ!私は、そんなこと…!」

「言い訳しても無駄です。当該学生から直接、学生会に訴えがありました。一度ならず何度も、あなたに恫喝されたと」

「い、一体誰なの?誰がそんなことを言ったのよ!?」

「個人情報ですから、教えられません。それに、恐喝したのはあなたなんだから、聞かなくても分かっているでしょう」

「…」

言葉を失うサナミア。

良い気味だ、と思った。

ルーチェスと、ルーチェスの奥さんの身を脅かした罰だ。

「ど、同志サナミア、あなたはそんなことを…」

党員の一人が、狼狽してサナミアに尋ねた。

しかし、サナミアは。

「ま、待って。私は本当に、そんなことはしていないわ!何かの間違い…」

「言い訳は聞きません。こちらはもう、証拠は掴んでますから」

「だから、ちょっと待って!私は単に…」

「大体、何で俺達まで退学なんだ!?俺達は恐喝なんてしてない!」

リーダーであるサナミアの言葉を遮るように。

当院の一人が叫んだ。

サナミアを庇うより先に、保身のことを考えるのか。

いかにも、あなた達らしい。

「学生会では、この下級生恐喝の件は、同好会長であるサナミアさんだけではなく、あなた達全員が関与していると考えています」

「!?」

「サークルぐるみで学生を恫喝し、そうして巻き上げた金銭を、学外の組織に譲渡した…。脅された学生も、名前は言えませんが、サナミアさんだけではなく、別の『赤き星』の学生から脅されたと証言されています」
 
『赤き星』の党員達は、お互いの顔を見合わせた。

お前か、お前がやったのかと。

ほら。

あなた達は、結束力が固いと言いながら、実は全然固くも何ともない。

お互いが、お互いのことを信用していない。

結局、そういううわべの関係でしかないのだ。
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