The previous night of the world revolution~T.D.~
呆然としている、『赤き星』の党員達を追い出し。

他の学生会メンバー達も呼んで、私達は、『赤き星』の部室を家宅捜索…ならぬ、

部室捜索を行っていた。

色んなものが出てきた。

「凄い数の本だな…。全部運び出すの、大変だぞ」

「あ、書類は気をつけろよ。『帝国の光』…だっけ?そこと通じてる証拠書類が、まだ残ってるかもしれない」

私には、到底読めそうもない、共産主義に関する本の数々。

そして、これまた読むのが難しそうな、論文の数々。

「それにしても、怪しいサークルだとは思ってたけど…。まさか、学生を恐喝してまで貢いでたとはな」

「本当…。信じられないわ」

「俺も信じられません。でも、証拠があるんだから、確かなんでしょう」

…ぎくっ。

私は、せっせと作業している振りをして、学生会仲間の会話を、聞こえなかったことにした。

…私は、サナミア達を脅すとき、「証拠は揃っている」と言った。

実際私は証拠を揃えた。そして、それを学生会に提出した。

学生会はそれを見て驚き、これはもう学生会だけでは対応出来ないと判断し。

大学側にも証拠付きで提出し、これは退学処分案件だと判断された。

全て、計画通り。

これで『赤き星』は解散。

更に、『赤き星』の党員達も、ローゼリア学園大学を追い出される。

そして、お互いが疑心暗鬼に駆られている以上、大学から追い出されてもなお、更に再結成することはないだろう。

…これも、全部計画通り。

出来過ぎ、と思ったろう?

当たり前だ。

だって。

私が学生会に提出した「証拠」って。

実は、全部捏造したものなんだから。
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