The previous night of the world revolution~T.D.~
「まぁ、家族の役に立ちたいという、その気持ちは買いますけどね。しかし、それで計画が頓挫したら、本末転倒というものでは?」

「そ、それは…分かってる…けど」

「全てがアイズ総隊長の計画通りに行けば、間もなく『裏党』には強力な『助っ人』が入ります」

「…!」

…そうだ、「助っ人」。

あの人がいれば…きっと大丈夫。

「彼がいれば、ルリシヤさんと合わせて『裏党』は抑えられる。あとは『表党』です。こちらを僕とシュノさんで抑え、表と裏両方を手玉に取ったとき…」

「そのとき…『帝国の光』は終わる」

「その通り」

そうね。

それが、私達の目指すべき目標。

ルティス帝国の、共産主義思想の巣窟である『帝国の光』を叩けば。

『天の光教』事件以来から続いていた、ルティス帝国内の政戦は収まる。

そして、私達の家族は、また一つに戻れる。

ルーチェスのお嫁さんだって、ルティス帝国に帰ってこられるようになるのだ。

だったら…。

「さぁ、踏ん張りどころですよシュノさん。大人の威厳を見せてください」

「うん、任せて…!」

皆の力が、家族の力が合わさっているんだもの。

どんな困難にだって、立ち向かえる気がする。
< 526 / 820 >

この作品をシェア

pagetop