The previous night of the world revolution~T.D.~
「…セカイさん」

「…何よ」

「妬いてます?」

「妬いてないもん。ぜーんぜん妬いてないもーん!ルーチェス君が、何処の頭のいーい女の子とイチャイチャデートしたって、私関係ないもーん」

完全に妬いていらっしゃる。

成程可愛い。うん、これは可愛いぞ。

「…心配しなくても大丈夫ですよ、セカイさん」

「…何がよ?」

「裸エプロンされて僕が萌えるのは、この世でセカイさんだけなので」

「…」

他の、どんな女が裸エプロンしたって。

凄く冷静に、「服着なよ」って言うだけだから。

するとセカイさんは、しばしぽかーんとして。

そして。

「も〜!ルーチェス君可愛い!可愛いの〜!えいっ、えいっ」

「え、ちょ、鼻摘まないでください鼻」

「はっはっはー!残念だったな女子大生達よ!このイケメンルーチェス君は、既に私の旦那さんなのだー!ふははー!」

魔王みたいになってる。セカイさんが魔王みたいになってる。

「…とはいえ、めぼしい女の子を見つけて、その子とランデブーするときは、ちゃんと言ってね。避妊とか危ないし」

「分かりました。そのときは事前に申告します」

スパイという仕事上、「そういう」状況も有り得るかもしれないが。

そのときは、ちゃんと申告しよう。

まぁ。

ルレイア師匠が、不特定多数の男女と夜を共にしようが、結局ルルシーさんが一番なのと同じように。

何処の誰と寝たって、僕にとっても結局、セカイさんが一番なのは変わりないので。

そこは安心してください。
< 53 / 820 >

この作品をシェア

pagetop