The previous night of the world revolution~T.D.~
「…それにな」

覚えておけ、アイズレンシア。

お前は、一人じゃないんだってことを。

「例えお前が間違っていたのだとしても、お前が判断をミスったとしても、あいつらは必ず、それをカバーしてくれる。何事なかったみたいな顔して、必ず成功させる」

さっきも言ったろう?

あいつらは、馬鹿じゃないんだ。

想定外の事態が起きても、上手いこと臨機応変に対応するはずだ。

「アイズの立てた作戦を、皆で成功させるんだ。お前は一人じゃない。一人で背負ってるんじゃない。俺達、皆一蓮托生だ。何かあっても、必ず俺達の誰かがフォローする」

命を懸けてるのは、皆同じなのだ。

俺だってそうだ。

ルレイア達の身に何かあれば、危険など顧みるつもりはないぞ。

そして。

「そうだアイ公!大丈夫だ!なんかあったら、どんな敵でも、アリューシャが片っ端から撃ち抜いてやるから!アイ公の為なら、5キロ先からでも脳天ぶち抜いてやるわ!」

いや、さすがにそれは無理だろうけども。

アリューシャならもしや、と思わせるところが凄いな。

アリューシャにかかれば、訓練されてない烏合の衆を狙撃するなど、バッティングセンター感覚だろうな。

え?不謹慎だって?

実際そうなんだから、仕方ないだろ。

アリューシャに狙撃されたくなかったら、全身に鉄の鎧を着て、地下防空壕で震えてろ。

「アリューシャ…」

アリューシャの意気込みを見て、アイズは表情が変わった。

「…お前は、お前なら大丈夫だ。胸を張れ。堂々と座って、皆が帰ってくる『家』になってくれ」

「うん…そう、そうだね」

…もう、大丈夫そうだな。

俺も、少し肩の荷が下りた気がするよ。

「私の仲間達は優秀だ。大丈夫…。…そして皆が帰ってきたとき、『お帰り』って言ってあげよう」

「あぁ」

「おうよ!山のようなポテチでお迎えしてやんよ!」

…それは要らないと思うぞ、アリューシャ。
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