The previous night of the world revolution~T.D.~
正直なところを言うと。
『光の灯台』の本家本元、『白亜の塔』の最大の被害者とされた俺でも。
『白亜の塔』の造り方なんて、知らない。
知ったことじゃない。
お前らだってそうだろ?毎日冷蔵庫を使ってるけど、その冷蔵庫の造り方なんて知らないだろ?
それと同じだ。
使い方は分かっても、造り方までは分からない。
この世にある、大抵のものはそうだ。
だが。
使い方と用途が分かれば、手探りながらでも、どんな風に造るのか、憶測は出来る。
冷蔵庫だったら、あんなに冷やすことが出来るんだから、何らかの冷却効果を持つ機能が使われてるんだろうな、とか。
それと同じで、『光の灯台』開発チームは、『光の灯台』の用途から、どうやってそれを造るのか推測しながら、開発を続けていた。
更には、薄らハゲ博士の持ってきた資料。
これをもとに、開発を進めているとか。
その資料を、俺も見せてもらった。
大したことは書いてなかった。
要約すれば、「無音で無味無臭の電波を発信し、人々を扇動する細長いスピーカー」程度。
そのくらい、説明されるまでもなく分かっている。
この調子なら、『光の灯台』が完成するのは遠い未来。
それでも万全を期す為に、俺は自分が大きな発言権を持っているのを良いことに。
頓珍漢な意見を出しまくっておいた。
「無音と書いてはいるが、実は知覚出来ないだけで音が出ているのではないか」とか。
「その音を聞き分ける為には、音楽の分野を調べるべきなのではないか」とか。
「実は、この機械で何らかの薬物を散布しているのではないか」とか。
「もしそんな薬物があるなら、化学的な分野から調べるべきなのではないか」とか。
そりゃあもう、思いつく限りの、とっちらかった意見をたくさん。
面白かったよ。
俺がこんなに、頓珍漢なことばっか言ってるのに。
他のメンバーは、何でも真剣に聞くんだもん。
ルティス帝国総合大学の、お偉い学生さんが言うことなら、間違っているはずがないと信じ込んじゃって。
しかも、薄らハゲ博士まで本気にしてるんだから、救えない。
本当に、何も知らないんだな、お前。
何でその資料持ち出せの?マジで。
ルリシヤは、他の開発チームメンバーの手前、同じく真剣な顔をして俺の意見を聞いていたが。
内心では、大爆笑だったに違いない。
俺だって、真剣な顔をして喋りながら、内心腹痛くなるほど笑ってたから。
この調子で、どんどん足を引っ張っていくスタイルで行こう。
『光の灯台』の本家本元、『白亜の塔』の最大の被害者とされた俺でも。
『白亜の塔』の造り方なんて、知らない。
知ったことじゃない。
お前らだってそうだろ?毎日冷蔵庫を使ってるけど、その冷蔵庫の造り方なんて知らないだろ?
それと同じだ。
使い方は分かっても、造り方までは分からない。
この世にある、大抵のものはそうだ。
だが。
使い方と用途が分かれば、手探りながらでも、どんな風に造るのか、憶測は出来る。
冷蔵庫だったら、あんなに冷やすことが出来るんだから、何らかの冷却効果を持つ機能が使われてるんだろうな、とか。
それと同じで、『光の灯台』開発チームは、『光の灯台』の用途から、どうやってそれを造るのか推測しながら、開発を続けていた。
更には、薄らハゲ博士の持ってきた資料。
これをもとに、開発を進めているとか。
その資料を、俺も見せてもらった。
大したことは書いてなかった。
要約すれば、「無音で無味無臭の電波を発信し、人々を扇動する細長いスピーカー」程度。
そのくらい、説明されるまでもなく分かっている。
この調子なら、『光の灯台』が完成するのは遠い未来。
それでも万全を期す為に、俺は自分が大きな発言権を持っているのを良いことに。
頓珍漢な意見を出しまくっておいた。
「無音と書いてはいるが、実は知覚出来ないだけで音が出ているのではないか」とか。
「その音を聞き分ける為には、音楽の分野を調べるべきなのではないか」とか。
「実は、この機械で何らかの薬物を散布しているのではないか」とか。
「もしそんな薬物があるなら、化学的な分野から調べるべきなのではないか」とか。
そりゃあもう、思いつく限りの、とっちらかった意見をたくさん。
面白かったよ。
俺がこんなに、頓珍漢なことばっか言ってるのに。
他のメンバーは、何でも真剣に聞くんだもん。
ルティス帝国総合大学の、お偉い学生さんが言うことなら、間違っているはずがないと信じ込んじゃって。
しかも、薄らハゲ博士まで本気にしてるんだから、救えない。
本当に、何も知らないんだな、お前。
何でその資料持ち出せの?マジで。
ルリシヤは、他の開発チームメンバーの手前、同じく真剣な顔をして俺の意見を聞いていたが。
内心では、大爆笑だったに違いない。
俺だって、真剣な顔をして喋りながら、内心腹痛くなるほど笑ってたから。
この調子で、どんどん足を引っ張っていくスタイルで行こう。