The previous night of the world revolution~T.D.~
…恥ずかしながら。

「これがアイズの指示じゃなかったら、俺だって、テナイをぶっ殺してたよ」

「マジかよ。ルル公も、結構ルレ公脳だな」

悪いかよ。相棒だからな。

俺だって、ルレイアよりはマシというだけで、そんなに気が長い人間じゃないんだからな。

ましてや、シェルドニア王国には、元々恨みがある。

言うまでもなく、あの『ホワイト・ドリーム号』の件だ。

あいつらは、もうチャラになったとか思ってるんだろうが。

俺の中では、ちっともチャラになんてなってない。

アシミムとルシードが腹を切ったとしても、チャラにしてやるつもりはない。

心が狭いと思ったか。勝手に思え。

ルレイアをあんな目に遭わせた奴らに、どうして一切の情け容赦をくれてやるだろうか。

その上、今回の件。

ルレイアもルリシヤもルーチェスもシュノも、皆危険な目に遭わされている。

それは、回り回って奴らのせいなのだ。

百万回殺しても飽き足らない。

これが、アイズの指示じゃなかったら。

「シェルドニアで、『白亜の塔』の開発資料を持ち出した黒幕を見つけても、殺しちゃ駄目だからね。見逃して」と、言われていなかったら。

慈悲なんて、一ミリもかけてやるつもりはなかった。

嬲り殺しにしてやっても良かった。

しかし、ぐっと堪らえたのだ。

我ながらよく自制したよ、俺は。

「ふーん…。さすがアイ公、考えることがアシュトーリアさんに似てきたなー」

「本当にな…」

それでこそ、『青薔薇連合会』の次期首領だ。

アイズがいなかったら、俺達、今頃収拾つかないことになってただろうなぁ。

全く、うちのリーダーには、頭が上がらないよ。
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