The previous night of the world revolution~T.D.~
「常に何処からか視線を感じると言うか…。特に水場とか…」

別に、水場だけ監視が強い訳じゃない。

ただ、エリアスをビビらせてやろうと思っただけだ。

水場って言うと…アレだろう?

そういうモノが出てくる定番だろ?

「な、何だよ…。まさか事故物件だって言うのか?確かに古い建物だけど…」

「いや、そこまでは言ってませんが…。なんか気持ち悪いときがあって…」

「や、やめろよ…。きっと気のせいだって」

「…そうだと良いんですけど…」

若干、ビビった様子のエリアス。

ふっ、ざまぁ。

お前、『帝国の光』なんていう、怪しげなオカルト集団に入り浸ってる癖に。

幽霊にはビビるのかよ。

『帝国の光』の方が、俺にとってはよっぽど恐ろしいが。

「そ、それよりさ」

エリアスが、強引に話題を変えてきた。

『帝国の光』の『裏党』党員ともあろう者が、幽霊にビビるな。

死神でさえ恐れをなして逃げていく、俺を見習え。

「ルナニアは、『帝国の光』で何やってるんだ?あんまり姿を見掛けないけど」

「…あぁ…」

そうですね。

俺、基本的にずっと地下にいるから、上にいるエリアス達と顔を合わせる機会がない。

でも、まさか「武器庫の奥にある秘密の研究室で、『光の灯台』っていうチートアイテム造ってるんだよねー(笑)」とも言えず。

そんなこと言ったら、ヒイラ大激怒だろうなぁ。

それはそれで面白そうだが、今はまだそのときではない。

ので。
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