The previous night of the world revolution~T.D.~
…いや。

正直、ではないな。

本当に正直に答えるなら、「お前が生きてるうちには出来ないと思うぞ」と答えなければならないからな。

これでも、かなりオブラートに包んだ返答だ。

しかし、ヒイラはそれが気に入らなかったらしく。

目を吊り上げて、再び怒りの炎を燃え上がらせた。

「何とも言えない…だって?何でそんなことになるんだ!」

「落ち着いてくれ、同志ヒイラ。何をそんなに怒ってるんだ?」

しらばっくれてみることにした。

「どうして、そんなに『光の灯台』の開発を急ぐ?…いや、出来るだけ早く完成した方が良いのは分かるが、別に今すぐ必要という訳じゃないだろう?」

「…今すぐ必要なんだ」

俺としては、ちょっとした鎌掛けのつもりで聞いてみたのだが。

ヒイラは、馬鹿正直に答えた。

どうやら、本当に余裕がないらしい。

「今すぐ?」

「あぁ、今すぐだ」

「何故そんなことに…?」

「…」

ヒイラは、しばし黙り込み。

そして、不機嫌そうな顔で答えた。

「…少しずつ、各地にいる党員の数が減ってきてるんだ」

ぶっきらぼうに振る舞いながらも。

内心、非常に危機感を覚えているのが分かった。
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