The previous night of the world revolution~T.D.~
『帝国の光』に所属していた党員が、脱党し始めたのだ。
勿論そんなことを考える連中は、『表党』の党員だが。
最初は無視していた。国の為に力を貸すと決めたはずではないか、と腹は立ったが。
でも所詮、『表党』の党員だ。彼らに、革命を為し遂げられる気概があるとは思っていない。
別に何人か抜けていっても、止める必要はないし。
そもそも、他の党員達の手前、出ていこうとする者を止める訳にはいかなかった。
『表党』の党員など、何人抜けても構わないくらいに思っていた。
しかし、放っているうちに。
脱党希望者が、次々と増えていった。
それと同時に、入党希望者が、段々と少なくなってきていた。
そのことに気づいたときには、既に手遅れに近い状態だった。
『光の灯台』にかまけていて、『表党』の党員のことなど、眼中になかった。
しかし気づいたときには、『表党』の党員の数は、およそ3割近く減り。
また、残っている党員達も、以前なら喜んで、ボランティアとして『帝国の光』に労働力を提供してくれたのに。
今となっては、何かと理由をつけてはボランティアを断り、積極的に活動をしなくなっていた。
労働力が乏しくなれば、当然資金力も減る。
以前なら、『裏党』の党員は勿論、『表党』の党員も、積極的に資金を提供してくれた。
しかし今は、最盛期の半分近くまで落ち込んでいる。
元々『帝国の光』は、党員達からの寄付金で成り立っている。
その金がなくなったら、『光の灯台』の研究どころではなくなる。
俺は、急激に焦り始めた。
…すぐにでも、『光の灯台』を完成させなければ。
一つ造るだけでは駄目なのだ。あれは、大量に量産して、国中にばら撒かなくては効果を発揮しない。
しかも、サシャ博士が言うところによると、『光の灯台』による洗脳は遅効性で、洗脳が完了するまでに、それなりの期間を要する。
つまり俺達は、完全に資金が尽きる前に、すぐにでも『光の灯台』による洗脳を開始しなければならない。
背筋が凍る思いだった。
『表党』の党員が減っていることは知っていたが、何故こうも急激に減っているのだ?
何故こうも急激に、活動が鈍る?
今まで定期的に提供されていた活動資金が、滞るようなことになる?
元々、『裏党』以外の党員や、他の提携組織の連中は、熱に浮かされただけの「にわか党員」だということは、何となく分かっていた。
でも、何でこんなに急に?
一体何が起きた?
どうして、こんなことに?
ここ最近の俺は、ずっとそう考えては、焦っていた。
その日の朝、『帝国の光』本部ビルに辿り着くまでは。
勿論そんなことを考える連中は、『表党』の党員だが。
最初は無視していた。国の為に力を貸すと決めたはずではないか、と腹は立ったが。
でも所詮、『表党』の党員だ。彼らに、革命を為し遂げられる気概があるとは思っていない。
別に何人か抜けていっても、止める必要はないし。
そもそも、他の党員達の手前、出ていこうとする者を止める訳にはいかなかった。
『表党』の党員など、何人抜けても構わないくらいに思っていた。
しかし、放っているうちに。
脱党希望者が、次々と増えていった。
それと同時に、入党希望者が、段々と少なくなってきていた。
そのことに気づいたときには、既に手遅れに近い状態だった。
『光の灯台』にかまけていて、『表党』の党員のことなど、眼中になかった。
しかし気づいたときには、『表党』の党員の数は、およそ3割近く減り。
また、残っている党員達も、以前なら喜んで、ボランティアとして『帝国の光』に労働力を提供してくれたのに。
今となっては、何かと理由をつけてはボランティアを断り、積極的に活動をしなくなっていた。
労働力が乏しくなれば、当然資金力も減る。
以前なら、『裏党』の党員は勿論、『表党』の党員も、積極的に資金を提供してくれた。
しかし今は、最盛期の半分近くまで落ち込んでいる。
元々『帝国の光』は、党員達からの寄付金で成り立っている。
その金がなくなったら、『光の灯台』の研究どころではなくなる。
俺は、急激に焦り始めた。
…すぐにでも、『光の灯台』を完成させなければ。
一つ造るだけでは駄目なのだ。あれは、大量に量産して、国中にばら撒かなくては効果を発揮しない。
しかも、サシャ博士が言うところによると、『光の灯台』による洗脳は遅効性で、洗脳が完了するまでに、それなりの期間を要する。
つまり俺達は、完全に資金が尽きる前に、すぐにでも『光の灯台』による洗脳を開始しなければならない。
背筋が凍る思いだった。
『表党』の党員が減っていることは知っていたが、何故こうも急激に減っているのだ?
何故こうも急激に、活動が鈍る?
今まで定期的に提供されていた活動資金が、滞るようなことになる?
元々、『裏党』以外の党員や、他の提携組織の連中は、熱に浮かされただけの「にわか党員」だということは、何となく分かっていた。
でも、何でこんなに急に?
一体何が起きた?
どうして、こんなことに?
ここ最近の俺は、ずっとそう考えては、焦っていた。
その日の朝、『帝国の光』本部ビルに辿り着くまでは。