The previous night of the world revolution~T.D.~
アイズの計画の、最終段階。

その内容は、実にシンプルだ。

帝国騎士団と共同戦線を張り、一気に『帝国の光』本部に突入する。

それだけだ。

帝国騎士団が介入する口実は、「『帝国の光』が、秘密裏に武器を所有している可能性がある」ということ。

それを口実に、帝国騎士団は強制捜査に乗り出す訳だ。

で、それだけなら別に、帝国騎士団が好きにやってくれれば良い。

俺達には関係がない。

しかし。

この建物の中には、俺の仲間がいるのだ。

そう来れば、無関係ではいられない。

『帝国の光』の連中は、追い詰められれば、恐らく武器を手にするだろう。

最悪この建物の中で、大乱闘が起きかねないのだ。

そうしたら、この中にいる俺の仲間も巻き込まれる。

だったら、俺はそれを助けなければならない。

今もこの建物の地下で、ヒイラ・ディートハットと対峙しているであろう…俺の相棒を。

その為に、俺はここに来たのた。

「予定通り、帝国騎士団は勝手にしてくれ」

俺は、オルタンスやアドルファス達にそう言った。

『帝国の光』の連中を、捕まえるなり叩きのめすなり、好きにしてくれ。

「そうだな。貴殿は…聞くまでもないか」

「あぁ」

何も聞くな。

俺のやるべきことは、一つだけだ。

だから俺は、振り返ることもなく、群衆の中を突っ切った。

背中に、俺の相棒への「お土産」を背負って。
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