The previous night of the world revolution~T.D.~
「エレベーターは?」

「止まってるみたいですね。電気が落とされてます」

「ちっ…」

『裏党』の連中の仕業か。

やはり、正規の手段で地下に降りることは出来ないんだな。

「まぁ、でも気にすることはありませんよ」

と、言って。

ルーチェスは、くるりと帝国騎士の剣を回した。

「その為に、わざわざ僕にこれを持ってきてくれたんでしょう?」

「…頼めるか」

「剣が玩具なのが心配ですが、まずはやってみましょうか」

「…」

玩具、って言うけどさ。

それ一応、帝国騎士が持っている、それなりに立派な真剣だからな?

そこらの骨董品とは訳が違う。

それを「玩具」呼ばわりとは。

「では行きますか…。地下って、この下ですよね」

「…多分…」

「じゃ、行ってきますね」

にこ、と笑って。

ルーチェスは、玩具呼ばわりした真剣を振り上げた。

「ルレイア師匠直伝…ダイナミック入室」

振り下ろした、真剣が。

凄まじい音を立てて、エントランスの床を破壊した。
< 748 / 820 >

この作品をシェア

pagetop