The previous night of the world revolution~T.D.~
…。

…と。

折角、俺が格好良く決め台詞を吐いたというのに。

威嚇の為に鎌で空を切った、その一振りだけで。

『裏党』の党員達は、泣いて降伏宣言。

つまらないにも程があるんですけど。

「あー、歯応えがなーい…」

「…」

「ねぇ、ルルシーもそう思いません?」

「…」

同意を求めて、ルルシーの方をちらりと見ると。

ルルシーは、何故かジト目でこちらを見ていた。

何で。

「…そりゃあな。お前のあんな死神っぷりを見せつけられたら、生存本能が降伏を選ぶに決まってるだろ」

「え」

「俺でも、危うく卒倒するところだったよ」

「…」

…ルルシーったら、大袈裟なんだから。

「…♪♪♪〜」

「おい、鼻歌で誤魔化すな」

俺が悪いんじゃないよ。

あいつらが腰抜けなのが悪いんだもん。

ともかく。

これで、うるさい小蝿達は蹴散らした。

地下室に響いていた戦闘音も、いつの間にか止んでいた。

「ルリシヤは?会いました?」

「あぁ。恐ろしい武器を使ってたよ」

へぇ。

「上はどうなってます?」

「ルーチェスは、一緒に地下に降りてきた。ただ、シュノは人混みに紛れて…」

と、ルルシーが言いかけたところに。

「おっ、ルレイア師匠。無事に嫁とランデブーしたんですね」

「二人共、無事で何よりだ」

「あ、ルーチェス、ルリシヤも」

地下にいた二人が、俺とルルシーに合流。

あらやだ。何だかこのメンバーで集まるのって、久し振りだよね。

「大丈夫ですか?二人共」

「誰に向かって言ってるんだ?ルレイア先輩」

「そうですよ。この通り、怪我一つありません。強いて言うなら、地下を破壊したときの反動で、明日の筋肉痛がちょっと怖いですね」

ふふ。

どうやらルーチェスは、俺が伝授した、ルレイア式「ノック」を実践したようだな。

あれで、翌日に筋肉痛を感じなくなったら、免許皆伝だ。

「それと、帝国騎士団の連中も地下に降りてきた。誰一人殺してはいないから、その辺で悶えてる党員達を、一人ずつ拘束しているところだ」

「そうですか」

遅れ馳せながら、帝国騎士団も地下に合流したか。

地下にいる党員達は、全員武器を持っているから。

任意同行ではなく、現行犯で強制連行だろうな。

お疲れ様。

素人が武器なんか持つから、そういうことになる。

すると。

「あっ!いた!」

思わぬ人物が、そこにやって来た。
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