The previous night of the world revolution~T.D.~
「あれ?シュノさんじゃないですか」

「るっ…ルレイア…」

安否を心配していたシュノさんが、地下室にやって来た。

良かった。シュノさん、無事だったのか。

まぁ、シュノさんが簡単にくたばるなんて、一欠片も思っちゃいなかったが。

「ルレイアっ…。ルレイアぁぁぁっ!」

「あらあら」

シュノさんは、ぶわっ、と瞳に涙を浮かべ。

俺に向かって、ひしっと抱きついてきた。

「うぇぇぇん、会いたかったぁぁぁぁ」

「ふふ。俺も会いたかったですよ。久し振りですね、シュノさん。元気でした?」

「ふぇぇぇぇん、げんっ、げっ…き…ふぇぇぇぇ」

「あー…」

ちょっと、言葉にならない感じですね。分かります。

まぁ、こんな再会もご愛嬌ってところだ。

「りゅ、りゅレイアはっ…」

噛んでる噛んでる。

「げっ…元気、らった…?」

涙声の上目遣いで、尋ねるシュノさん。

元気じゃなかったですよ、って言ったら、多分気が狂わんばかりに泣き出しそうなので。

「俺を誰だとお思いで?すこぶる元気でしたよ」

強いて言うなら、ルルシー欠乏症と、ゴスロリ欠乏症が辛かったかなぁ。

でも、今その両方が解消されたので、元気いっぱいだ。

すると。

「よっ、良かったぁぁぁ!ふぇぇぇん!」

それでも、やっぱり泣かせてしまった。

「相変わらず、女泣かせだなお前は…」

ジト目のルルシー。

酷い。

「失敬な。俺は泣かせてるんじゃない。…啼かせてるんですよ」

「…」
 
ルルシー。何その目。

「さすがルレイア師匠…。感服致します」

「ふふふ、そうでしょう」

羨望の眼差しを向ける弟子に、鼻高々なのは良いとして。

とりあえず、シュノさんを泣き止ませたい。
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