The previous night of the world revolution~T.D.~
確かルーシッド、『帝国の光』突入時にいなかったよな。

聞けば、ルーシッドはルティス帝国総合大学に行っているとのことだったが。

「あ、はい…。予定通り、サークルは解散させてきました」

へぇ。

「今までの、『考える会』の不正行為や規則違反を、学生課に提出したら…あっさりでしたよ」

まぁ、世間を賑わせている『帝国の光』と関係していたサークルだ。

名門大学のルティス帝国総合大学としては、そんな怪しげな組織と繋がっていたサークルなんて、存在するだけで風評被害。

大学側としては、早々になかったことにしたいはず。

もしかしたら、ルーシッドが『ルティス帝国を考える会』の悪事を、耳揃えて学生課に報告しなくても。

学生課が何かしら理由を立てて、サークルを解散させていたかもしれないな。

「ふふふ。ざまぁないですね。唯一残念だったのは、エリミアのゲロ顔を見れなかったことですよ」

「げ、ゲロ顔…?」

「写真とか撮ってないんですか?」

「しゃ、写真?何で…?」

「ちっ…。使えない奴」

写真も撮ってないとか、こいつ何やってるんだ。

「調子に乗ってた女が破滅したときのゲロ顔を撮影して、待ち受けにするのは常識でしょうが!全くこれだからどうて、」

ベシッ、と。

ルルシーから、二発目の脳天ビンタが飛んできた。

見ましたか皆さん。二度目のDV。

「そんな常識はお前だけだ!この馬鹿!」

「酷い!俺は当たり前のことを言ってるだけなのに!」

「お前の常識は、大抵の場合、世の中にとって非常識なんだよ!」

なんてことを。

聞きましたか。これは精神的DVですよ。

すると、ルーシッドが。

「あ、あの…こちらからも一つ、尋ねて良いでしょうか」

「え?早く帰りたいので嫌です」

「…」

俺は、素直に答えただけなのに。

ルルシーから、見事に三発目の一撃を食らったのであった。
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