The previous night of the world revolution~T.D.~
と、そこに。

「遅れて済みません」

「お、ルーチェス、良いところに」

遅れ馳せながら、ルーチェスが合流してきた。

いらっしゃい。

「遅れるつもりはなかったんですが、久々の再会で、つい羽目を外してしまいまして…いやはや申し訳ない」

「いえ良いんですよ。気持ちはよく分かります。俺もルルシーと再会してすぐ、たっぷりルルシーの匂いを堪能しましたから」

「…この煩悩師弟…」

ルルシーが何か呟いてるが、

まぁ、聞こえなかったということで。

「遅れたお詫びと言っては何ですが、ミートパイとエッグタルト作ってきたので、良かったらどうぞ」

「うぉぉ!美味そう!」

早速食いつくアリューシャである。

さすが俺の弟子。多才で結構。

「うん、美味しい。ルーチェスこれ、美味しいよ」

ルーチェスのミートパイを一口食べて、アイズがそう言った。

「ありがとうございます、アイズ総長。…はい、ルルシーさんもどうぞ」

「…ルーチェス、お前、俺に近寄るな」

「!」

ルルシー、あなた何てことを。

それはあんまりというものだ。

「え?僕何かしました?何もしませんよ。男同士のあれこれに関する趣味はありますが、さすがに師匠の嫁に手を出す趣味は…」

「そういう意味じゃねぇ。近寄るな」

「…」

ルーチェスは、すすす、と数歩下がり。

「…ルレイア師匠。どうやら僕は、あなたの奥さんに嫌われてしまったようです」

「ちょっとルルシー。酷いですよ?いくら、ルーチェスが一足先に夫婦の営みを堪能してきて、羨ましいからってそんな…」

「別に羨ましくねぇし、お前と夫婦になった覚えもねぇ」

はい?

ちょっと今、何言ったのか聞こえませんでしたね。

「そうじゃなくて、フェロモンだ。ルーチェス、お前から今…ルレイア・フェロモンに似た、危ういフェロモンを感じる」

「え?」

俺とルーチェスは、互いに顔を見合わせた。
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