The previous night of the world revolution~T.D.~
「…アイズ総長」

「僕、今ルレイア・フェロモンならぬ…ルーチェス・フェロモン出てます?」

「そうだね…。微弱ながら、それに似たものを感じるね」

「言われてみれば…。ルレイアほど強烈ではないけど…。妖しいものを感じるわ」

アイズとシュノさんが言った。

更に、ルリシヤが。

「何だ、気づいてなかったのか?俺はとっくに気づいていたぞ。仮面の勘でな」

ルリシヤの仮面の勘が言うなら、間違いはない。

「マジか!ルー公まで!?ちょっと試しに、」

「あ、アリューシャ駄目だよ。迂闊に近寄ったら、」

好奇心いっぱいでルーチェスに近寄ろうとするアリューシャを、アイズが止めようとしたが。

遅かった。

ルーチェスの真横にくっついたアリューシャは、

「NOぉぉぉぉぉぉっ!!」

ルーチェス・フェロモンの、尊い犠牲になった。

「目が、目がぁぁぁぁ」

「だから、迂闊に近寄ったら駄目だって言ったでしょ…。ルーチェスの師匠は、あのルレイアなんだよ?まだフェロモンレベルは弱いとはいえ、迂闊に近寄るとこうなるんだよ」

「うぅ…。ルレ公フェロモンに勝るとも劣らない、変化球食らった気分…」

アイズに、目をナプキンで拭いてもらっていた。

なんてことだ。

「『事後』フェロモンを出せるようになるとは…さすがルーチェス、俺の弟子に相応しい」

「ありがとうございます、ルレイア師匠…。あなたのご指導の賜物です」

と、互いに互いを認め合っている師弟を見て。

「…ろくな指導してねぇな、お前…」

ルルシーが何かを呟いていたが、これもまぁ、聞こえなかったということで。

「この調子でフェロモンレベルを上げ、最終的には、一発でアリューシャの目を潰せたら、免許皆伝ですね」

「努力します!」

「…アリューシャを巻き込んでやるなよ…」

またしてもルルシーが何かを呟いていたが…。

…聞こえなかったということで。

遂にルーチェスが『事後』フェロモンを出せるようになったのだから、これはめでたいことだ。
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