The previous night of the world revolution~T.D.~
「そしてその飴玉は、アリューシャ先輩にあげよう…と、言いたいところだが」

「ふぇ?」

「さっき、つまらないと言われてしまったからな。つまらない飴玉を、アリューシャ先輩にあげる訳には…」

「すげーです!ルリシヤパイセンマジすげーっす!尊敬します!一生ついていきます!」

突然媚びを売り始めた。

飴玉欲しさに。

このマジックを見せられたら、そりゃ一生ついていきたくもなる。

「パイセンって…。先輩なのはお前だろ…」

ルルシー、マジレスは無粋だよ。

「では、次で最後のマジックだ」

「ふぉぉぉ!次は何!?何使うの?」

「何も使わないよ」

ほう?

その身体だけで、マジックを披露してみせると?

俺、またナイフとかぶっ刺したかったんだけどなぁ。

すると。

「…うっ」

ルリシヤが、いきなり喉元を押さえた。

「うぉっ!?ど、どうしたルレ公?」

「首が…首が、限界だ…!」

「ほぇ!?」

あ、これ定番の奴だ。

と、思った瞬間。

ルリシヤの首が外れて、すてん、と胸元まで落ちた。

このときの、アリューシャの顔。

まるで、時が止まったかのようだった。
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