The previous night of the world revolution~T.D.~
「確かに、お前が『青薔薇連合会』に来て、ついでに色んなトラブルも一緒についてきたけど」

おっかしいなー。

俺、トラブルなんて連れてきた覚えはないんだけど?

「でもその分、『青薔薇連合会』に大切なものも連れてきたよ」

「…大切なもの?」

「新しい仲間。ルリシヤやルーチェスや、お前のところの華弦や、回り回って俺のところのルヴィア嫁とかな」

確かに。

「それに、シュノの人見知りも随分治った」

あー、それは確かに。

最初会ったときは、だいぶ酷かったもんなぁ。

俺に対しては、完全に敵意丸出しで。

ルルシーやアイズ達に対しても、距離を置いている風だったもんな。

人を寄せ付けないこと、さながらハリネズミのようだった。

服もダサ…国旗みたいだったし。

それが今や、美しいゴスロリという正装に身を包み。

すっかり、仲間達とも打ち解けた。

初めての相手には、さすがにまだ若干人見知りがちではあるが。

「それによって『青薔薇連合会』は強力な戦力を得たし…。あまり言いたくはないが、帝国騎士団へのコネも出来た」

「出来ましたねぇ」

なんと今や、帝国騎士団を顎で使う…とまでは行かずとも。

ある程度、融通は効くようになったな。

俺が入る前の『青薔薇連合会』のことは、よく知らないが。

危険を犯し、ルルシーを潜入させようとしていたくらいなのだから、まぁ仲は良くなかったのだろう。

今も、仲良しになった訳じゃないけどな。

あんな奴らと仲良しなんて、地獄だろ。

「そう思えば、俺も闇堕ちした甲斐があるってものですね」

「…俺は、お前がどちら側にいようが構わないが、お前が幸せで、そして俺の隣にいてくれればそれで良い」

ルルシーは、いつもそうでしたね。

「あなたが隣にいるのなら、俺はいつも幸せですよ」

「そうか。良かった」

ルルシーも、そう感じてくれているなら嬉しい。

…ん?

俺は、今凄いことに気がついたぞ。

「…なんか今、凄いロマンチックじゃないですか?」

「…何処が?」

…分かってない。

ルルシーには分からないのだ。まだ。

うんうん。良いですよ、俺は心が大海原のように広いですから。

「これはもう、人生ハネムーン間違いなしですね…」

「…何言ってんの?お前…」

ルルシーにも、いつか分かる時が来るよ。

これからもずっと、一緒にいるんだから。

いつかきっと、ね。




























END

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