The previous night of the world revolution~T.D.~
「他にも、色んなおまじないグッズがたくさん売ってたんだよ、ほら。これなんてミサンガみたいで可愛いでしょ」

「あぁ…。良縁祈願の飾り紐ですね。そこに、縁を結びたい相手の髪の毛を一房編み込むと、より効果が増します」

「えっ、本当?」

「えぇ。私も持ってますよ」

…誰の髪の毛?

「じゃあ、こっちは?タヌキみたいな置物だなーって思って買ったんだけど」

「それは家内安全の置物ですね。リビングに置くと良いですよ。あなたの買ったのはお土産品ですから木製のようですが、うちにあるのは本家本元です」

「そうなの?本家は木製じゃないんだ」

「えぇ。骨製です」

…誰の骨?

「じゃあじゃあ、こっちは?この不思議な飾りのついたネックレス」

「それは厄除けの首飾りです。そちらも土産品なので、ただの着色料で色を付けただけのようですが、私の持っている本物は…」

「本物は?」

「厄を除けたい人の血液を採取して、ガラス玉に詰めています」

「おぉー。本格的だ〜」

…誰の血?

…俺の血?

わちゃわちゃと盛り上がる女性陣を尻目に、ルーチェスさんは頬杖をついて言った。

「…あー、僕の嫁、ルティス帝国出身で本当良かった」

「…」

「…なんか同情しますよ、ルヴィアさん」

「…いや…それでも俺は…俺はフューニャを愛してる…愛してるから良いんだ…」

愛は全てを超越する。

そう、そういうことにしておこう。


















END
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