言葉にしないと届かない
~勇気~
「美夏(みか)、ここ寒くね?」


私の名前を呼ぶのは、

子供の頃からの幼なじみであり、

唯一の親友であり、

3年間片想いし続けている大好きな人。


私は今日、思い切って気持ちを伝える。


陸(りく)への想いに気付かされた、この屋上で。


「陸...」


酸素をありったけ吸い込み、

今までの想いを吐き出す。


一言に全てを込めて。


「好きだよ。」


「おう、俺も好きだよ。急にどうした?」


陸は、いつもそう。


私にとっての好きは意味が違うの。


「そういう好きじゃないから。

ちゃんとした好きだから。」


言っ..ちゃった。


「分かるよね?どういう好きか。」


「ああ。」


陸、なんで泣いてるの?


やめてよ、勘違いするから。


「悪い。もっと早く気づいてれば。」


もういいから。


思わせぶりな態度とらないで、ちゃんとふってよ。


「俺も、同じ意味で美夏のことが好きだよ。」


えっ...嘘...


それじゃあ、もう我慢しなくていいですか?


私の気持ち、全部ぶつけていいですか?


「お前の全部、受け止めるよ。」


私の心の声が聞こえたのか、

陸が痛いくらいに強く抱きしめてきた。


勇気...出して良かった。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

「ぅどん」の秘密は春花火
源 零/著

総文字数/2,515

恋愛(その他)8ページ

あなたの癖はわたしの癖
源 零/著

総文字数/1,766

実用・エッセイ(その他)6ページ

君の気持ち嬉しかった
源 零/著

総文字数/5,377

恋愛(純愛)28ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop