従者は永遠(とわ)の誓いを立てる
グレイスが動かなかったためか、男のほうが先に手を伸ばした。カバンに触れ、引っ張ってくる。しかし布製のカバンはしっかりした作りで、グレイスの肩から外れることはなかった。
チッ、と男は舌打ちして、次はヒモ部分に手をかけた。ぐいっと乱暴に持ち上げ、グレイスの肩から引き抜こうとしたのだが……。
「きゃっ!」
思わず素の声が出ていた。持ち上げられたカバンのヒモが、ぱしっとキャスケットに当たったのだ。勿論、キャスケットはただかぶせてあるだけなのでぐらっとかしいで。
ぱさっと地面に落っこちていた。その中からふわっと広がったのは、グレイスの長い黒髪。リボンで留めてはいたものの、髪が長いことはわかってしまっただろう。
そして長い髪と、この少年というには少々かわいらしい顔立ちであったことと併せてみれば。
「女……!?」
男の手が止まった。グレイスからカバンを取り上げてはいたが、そちらへの興味よりグレイスの正体についてのほうが問題だったらしい。
チッ、と男は舌打ちして、次はヒモ部分に手をかけた。ぐいっと乱暴に持ち上げ、グレイスの肩から引き抜こうとしたのだが……。
「きゃっ!」
思わず素の声が出ていた。持ち上げられたカバンのヒモが、ぱしっとキャスケットに当たったのだ。勿論、キャスケットはただかぶせてあるだけなのでぐらっとかしいで。
ぱさっと地面に落っこちていた。その中からふわっと広がったのは、グレイスの長い黒髪。リボンで留めてはいたものの、髪が長いことはわかってしまっただろう。
そして長い髪と、この少年というには少々かわいらしい顔立ちであったことと併せてみれば。
「女……!?」
男の手が止まった。グレイスからカバンを取り上げてはいたが、そちらへの興味よりグレイスの正体についてのほうが問題だったらしい。