劇薬博士の溺愛処方

「おやお目が高い! 『ピコンピコン精泉液』ですね。こちら天然アミノ酸の一種であるアルギニンをはじめ、男性ホルモンのテストステロン分泌量をアップさせるための薬用ハーブであるトンカットアリ、お馴染みの高麗人参とローヤルゼリー、オットセイエキスが含まれているんです」
「へぇ……じゃあこれ買うよ」

 何がお馴染みなのかよくわからないが、三葉もおすすめだというドリンク剤を指さし、琉は財布からお金を取り出す。レジにお金を収めた三葉は当たり前のようにドリンク剤のキャップをひねり、カウンターの前で待つ琉に差し出す。

「はいどうぞ」
「美味いのか……?」
「さあ……?」
「飲んだことないのかよ」

 ふ、と笑って琉は瓶を口にあて、一口流し込む。一気飲みする客ばかり見ているから、彼のように上品に精力剤を飲む姿は斬新だ。三葉が身を乗り出して「どう?」と興味深そうに訊ねれば、「うん」と頷いて彼はまたドリンク剤を口に含む。

 そして強引に顔を寄せられ、口移しで飲まされる。

「ちょ……んっ!」
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