劇薬博士の溺愛処方
薬草のキツイ匂いがなだれ込んできて、三葉は咳き込みそうになるが、彼のおおきな手が顎を摑んだまま、放してくれない。そのまま薬を飲みこんでしまう。
全身にカァっと熱が奔る。ドリンクはまだ残っているというのに、それでも琉は三葉の口唇を封じたままだ。
「ん……はぁ、もぅ……」
「……シたくなった?」
「……でも」
「俺が今夜最後の客なんだろ? だったらこのあと、問題ないよな」
そう言って、残りのドリンク剤をぐびっと飲み干して、琉は勝ち誇った表情を浮かべる。
「言ったよな。勃たなくなったから君に奉仕してほしい、って」
会えなかった分、たくさん可愛がってやるから、と囁かれ、三葉は顔を紅潮させたまま、観念したようにこくりと頷く。
彼に精力増強のおクスリを渡したはずが、自分の方がムラムラさせられていると気づいたのは、閉店作業を終えて白衣を脱ぎ、彼に肩を抱かれながらホテルへ足を向けたときだった。