劇薬博士の溺愛処方

「冗談だって。ただ、お互い忙しい身だから仕方ないだろうけど、誤解があるなら早めに解消した方がいいと思うぞ」
「誤解……ならいいんだけどな」

 この世の終わりのように返されて、飛鷹が不思議そうに問い返す。

「なにか誤解されるようなことでも?」
「……なぁ飛鷹。恥を忍んで訊ねるが」

 大学時代からの悪友である飛鷹は医大を卒業後、大学院で博士号を取得した琉より一足先に総合病院に就職し、いまでは泌尿器科専門医としてバリバリ働いている職場の先輩でもある。

「早漏の治療法って、行動療法しかないよな……?」

 頬を赤らめて恥ずかしそうに呟く琉に、お前乙女かよ、と飛鷹が呆れたように頷き、興味津々の表情を浮かべて笑う。

「ああ……まぁアレだな。その前に――そこんとこ、教えろKWSK(くわしく)……!」
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