劇薬博士の溺愛処方

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「ははは、大倉に早漏って言っちゃったのか。かなりショック受けてたぞ」
「……ああ、やっぱり」

 新宿駅西口から南口へ抜ける大通りからすこし脇道に入ったところにある、ビジネスマンで賑わう雑居ビル群の地下にある居酒屋で、三葉は飛鷹とお酒を飲んでいた。

 酒豪、というほどではないが、中学高校とバレー部に所属していたこともあり一般的な女性よりも身体がおおきい三葉は、お酒を飲んでも酔えない体質である。そのため誘われれば気軽に飲みに行くが、周りが楽しくほろ酔い気分で飲んでいるのを見ると、すこし損しているなぁと思うこともしばしばである。現に飛鷹は三杯目のビールで顔をほんのり赤くしてぺらぺら楽しそうに喋っている。

 カウンター席で枝豆をぱくぱく食べながら、三葉はグレープフルーツの果肉がごろごろ入ったチューハイをちびちび啜り、隣で琉について語る飛鷹の声をBGMに、乾いた笑みを浮かべる。
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