劇薬博士の溺愛処方
「だから、あいつはひとりエッチが下手くそなんだよ。自分ひとりのときは性欲を我慢して、恋人に会えたら速攻でスイッチ入れちゃうから子種が爆ぜちゃうわけ。そのためには三葉ちゃんがいてもいなくても自分で自分の欲情をしっかりコントロールできるように、ほどよく自慰を行うことが大切なの!」
居酒屋で「早漏」とか「自慰」とか「子種」とか日常的に口にすることのない単語をぽんぽん弾ませながら、飛鷹は四杯目のビールをタッチパネルで注文し、隣で硬直している三葉へ忠告する。
「心因的要因によって一時的にEDだった反動もあるんだろうけど、三葉ちゃんひとりで彼の性欲をカバーするのはぶっちゃけ無理。彼ひとりがオナ禁状態を維持しつづけて誰にも迷惑かけていないならいいけど、それでパートナーとのセックスがうまくいかないのは本末転倒だよ」
オナニー禁止、ことオナ禁という言葉に首を傾げる三葉に、飛鷹は苦笑しながら説明する。