劇薬博士の溺愛処方
我を忘れるほどの快感を己の手で、というキャッチコピーが印象的なBOUGAは、ドラッグストアのコンドームコーナーにも日常的に並んでいる商品なので琉も知っている。だが、オナホもピンからキリまであるらしく、三葉が説明するには一万円から二万円する最高級品もあるのだと勧められてしまった。
「つ、使い捨ての方でいい!」
琉は慌てて彼女の説明を遮り、見慣れたパッケージの商品に視線を向ける。
「か、かしこまりました」
「今夜は……試してみたいことがあるんだ」
恋人相手に営業トークをつづける三葉に、琉もにやりと笑う。精力剤以外の商品についても、彼女はしっかり勉強しているらしい。
「え? 試したいこと……?」
ドキッとした表情を見せる三葉に、琉は追い討ちをかけるように満面の笑みで応える。
「そう。今夜は恋人と相互観賞をしながらゆっくり過ごしたいと思って」
だから、と琉はカウンターの向かいにいる三葉に甘く囁く。
「あと、その棚の隣の商品も頼む」
「……これも、先生が使うのですか?」
きょとん、とする三葉を前に、琉はこくりと頷く。